マインドフルネスはトレーニング
瞑想は、マインドフルな心の状態になるためのトレーニングのようなもの。例えば、野球選手にとってのバッティング、陸上選手にとっての筋トレにあたります。本番の試合や大会に出るためのトレーニングですから、トレーニングだけになっては意味がありません。
マインドフルネスにとっての本番は、毎日の日常、今この瞬間です。
瞑想はするけれど、それ以外の時間は、毎日、心ここに在らずで、過ぎさったことや将来のことを考えたり、SNSの情報に流されるかのように時を過ごしたりしては、マインドフルな心の状態とはいえません。
ジョン・カバット・ジン博士は、
瞑想だけのマインドフルネスならやらないほうがいいと発言しています。
MiLI理事の木蔵シャフェ君子氏は著書シリコンバレー式 頭と心を整えるレッスン 人生が豊かになるマインドフルライフで、
スポーツ選手がジムでトレーニングするだけで、実際の試合に出る気がないのであれば、それはスポーツ選手とはもはや言えないのと同じく、マインドフルネス瞑想だけで、それ以外で何もしないのであれば、マインドフルネス実践者とは言い難いのです。と語っています。
日常をマインドフルに過ごす
瞑想は苦手だから続かない。瞑想の概念は好きだけど、習慣化するのが難しい。
という方は、まずは日常をマインドフルに過ごすことから始めてみましょう。
たとえば、毎日の歯磨き、洗顔、洗い物、洗濯、食事、着替え、コーヒータイム。
なんでもマインドフルに「今ここに意識を向ける」ことで、何か気づきが得られるかもしれません。
私は、今日、あまり好きとはいえない洗い物をマインドフルに行いました。
お皿を手に取った時の重みを感じて、ガラスボウルの感触、プラスチックのマグカップの感触、ステンレススプーンの感触。軽いもの、重たいもの、繊細なもの、頑丈なもの、洗っている対象物を一つ一つ観察しながら、洗ってみました。
そんな風に、今目の前の洗い物に意識を向けてやっていると、不思議といつものように、「とにかく早く済ませたい」と焦る心もなく、食器をとる手もゆっくりと丁寧になり、苦痛な作業ではなく、逆に心が落ち着いてきたのです。
苦手なことこそマインドフルに行うと、新しい気づきがあって面白いですよ。まずは一日1つからでも、日常の習慣をマインドフルに取り組んでみてください。